海外の輸出に向けて、国内での売り方を整えていく

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    カドウフーズ株式会社
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    株式会社インプロバイド

企業

カドウフーズ株式会社

デザイナー

株式会社インプロバイド

函館のカドウフーズさんは、地域の素材を大切にする製造メーカー。函館土産のお菓子と、未利用資源を生かしたレトルト野菜を展開しています。手づくりという手間や細やかな味わいと、地域のお困りごと解決をする商品企画が特長です。そこには代表を務める嘉堂さんの地域に対する強い想いがありました。

どこに向けた、どんな商品なのか

カドウフーズさんの商品は、お土産お菓子の「はこだて雪んこ」と、レトルト野菜のパック「もう、ゆでちゃった」の大きく2方向。「レトルト野菜のパックは、商品が何か伝わらない、どう使えばよいかわからないという声がよくあるんです」と嘉堂さん。現状では使い方の提案はパッケージ上ではしていないので、確かに商品自体が茹でてあることがわかりやすくなると良い印象です。例えば、離乳食用につぶすだけで活用できます、というような用途を限定する方法など、誰にどうやって売るのか、前提が必要だと感じました。

そして商品属性のちがいも大きいため、訴求点の整理から企業のイメージを全体的にまとめられる方向を考えていきます。国内にも海外にも、企業としてメッセージできるデザインが良いと思いました。

地元企業としての意義

面談をつづけていくなかで、嘉堂さんが大切にしていることは“地域の産品で、地域でつくった、まっすぐな商品”であることだとわかりました。「地域のお困りごとを解決することがミッションなんです」と、地元企業として人・食材・お金をまわす「地域の循環」がキーワードに感じました。また地域の“人”という部分では「手づくり」もポイント。実際カドウフーズさんの商品は、8-9割が手づくりの工程で、野菜の皮むきも、お菓子のための裏ごしも、包む作業も人の手で行われています。2方向の商品に共通する、企業としての特長になるポイントが見つかった気がします。

カドウフーズの「手づくり」を表現する

お土産とレトルト野菜をつなぐのは「手づくり」という要素でした。一方で「手づくり」は世の中にあふれる言葉でもあります。カドウフーズさんならではの良いところを共有できる言葉として「手でつくる」という表現を提案しました。カドウフーズさんも手でつくっている、そしてその商品を使って各家庭でも手でつくるという「手づくりをつなける」をキーワードにストーリーを展開しました。また便利な商品は、消費者にとってのお困りごとも解決していくので、企業のイメージにもひもづきます。

「商品展開がイメージすることができます。手づくりでリンクしますし、お菓子づくりやご飯づくりなど、ご家庭キットにもつなげられるような気がします」と嘉堂さん。海外マーケット担当のインディさんは「輸出先に考えている国は屋台文化でもあるのですが、若い人を中心に家食が増えています。輸出の可能性としても同じ流れにあるのでは」とお話しします。

展示会や次のデザインにも応用していく

RE北事業は、大阪での展示会に向けての準備でもあります。ストーリーシートは、はじめましての挨拶として活用できます。ブースづくりについても、商品のベースは、素材へのこだわりと手づくり、地域にあるので、そこをカドウフーズさんの良いところとして、2つの商品が見えてくると、雰囲気がかわり今まで見にきてくれなかった人への可能性を作れるのではとアドバイス。

これからもデザイナーと一緒に取り組むことがあると思います。そんな時に大切なのは、会社の動きや考え方の部分からオリエンテーションで伝えることです。見た目だけのデザインに切り離さず、リサーチや分析からデザイナーと一緒にする。要件定義の段階から取り組んでいけることが、会社全体のブランド資産として育っていくきっかけになるのではないでしょうか。

事業者情報

社名カドウフーズ株式会社
所在地〒040-0071 北海道函館市追分町1-25
創業2010年(平成22年)7月
代表者代表取締役 嘉堂 聖也
事業内容事業内容:食品製造、通販業務、農水産加工委託販売、包装資材販売