バイヤーにも、自分たちにもわかりやすい
会社の“顔つき”をつくっていく

  • 企業
    北海製麺株式会社
  • デザイナー
    株式会社インプロバイド

企業

北海製麺株式会社

デザイナー

株式会社インプロバイド

創業50年以上、旭川の団体給食を支える北海製麺さん。お土産ラーメンの「旭川発」は、旭川ラーメンを全国に届け、40年も続くロングセラーです。最近は学校給食で麺を卸していくなかで、アレルギー体質の子どもたちが増えていることを実感し、「米粉麺」や「ヴィーガン麺」など新商品の開発にも取り組みます。コロナウイルスの影響で、販売先も変化してきました。業務用だけではない、新規のお取り先へのアピール方法に課題を感じています。今回のデザインコースは、林社長と林常務にご参加いただきました。

特長と言えるものが、思いつかなくて…

初回の面談は、北海製麺さんへの企業訪問からスタート。新商品の米粉麺など商品ラインナップやこれから売り出すヴィーガン麺のパッケージ相談を進めていきました。「特長になるかわからないのですが…」と不安げな林社長のお話しからは、確かに取り組んでいることは言葉として表現できるけれど、どこを強みとして伝えていけるのか整理ができていない印象を持ちました。そこから“北海製麺の強み”を整理する要素について、ヒアリングを進めていきました。

面談の終わりに「これから目指す姿は?」と質問を投げかけてみました。林常務から「手間ひまがかかっても、美味しかったと思ってもらえる商品づくりをしたい」とのこと。麺を製造することへのこだわりが少しずつ見えてきたものの、食べたい!と思ってもらうアプローチが弱く、いったいどういう人たちがどのように取り組んでいるのかが伝わりづらいと感じました。「北海製麺さんができること」という形で打ち出していく魅せ方を考えていきます。

小さな工場が強みに?

次に向けて強みを整理するため、北海製麺さんに歴史や製造の特長について振り返られる資料をお願いしていました。前回よりたくさんのお話しがお伺いできたと思います。ふるさと小包(郵便局の通信販売)では、生産が追いつかないほど注文が入った時代があったり、麺体は意外と繊細なんです…なんていうお話しがあったり。そのなかで興味深かったのは林社長が「小さな会社だからできることかもしれません…」とお話しされた「デジタル化されていない機械だからこそできる、技術者による手作業の麺づくり」です。また林常務からは「うちの麺は良い意味で他社さんの麺と違いを感じています」と。さらに詳しく伺いました。

[北海製麺、手作業の麺づくり]
小麦粉も手触りで状態を確認。麺も手触りで仕上がりを確認。出てきた麺は、一つひとつ手で丸めて揉む。
[北海製麺、ここが他社と違う]
スーパーでよく売られている麺はデンプンを使っているものも多く、食感や味があまり良くないと感じる。(林常務は味の損傷と表現されていました)

これらのお話しから、私たちは「麺を味で選ぶことがあるのか?」という疑問を持つとともに、経験と技術を生かして麺づくりすることは「麺を味で選んでもらう時代」に向けてのストーリー作りができるのではと考えていきました。

麺職人の心に響く、
北海製麺のストーリー

今回私たちは、どうして味で選ぶのか?とお客様が気づく一言を伝えていくストーリーをつくりました。そしてその裏づけには、北海製麺さんの経験と技術があります。「麺を味で選ぶ時代へ」、このメッセージはメーカーとしての印象づくりにもつながります。

ストーリーを読み終えた後に「最高です!」と林常務。さらに「このストーリーに沿った形で頑張らなければ、最高のプレッシャーになりますね。」とコメントをいただきました。私たちが大切にしていることは、外に向けて伝わることだけではなく、会社の内側から一緒に盛り上がっていけること。これこそ、デザイン思考の第一歩だと思います。初回に林社長が「小さな会社だからできることかもしれません…」とお話しされていた内容が、今回のデザインコースを経て「麺それぞれに細かく調整できる=麺の味をつくっていける」強みとして整理されました。

デザイナーと一度も直接やりとりをされたことがないという北海製麺さん。今後、パッケージやポスターなど、デザイナーにお願いするときもストーリーのうえで「麺を味で選んでくれそうな人をイメージしてほしい」というターゲット設定が、デザインの指針にもなっていくのです。

事業者情報

社名北海製麺株式会社
所在地〒079-8442 北海道旭川市流通団地2条1丁目
創業1971年(昭和46年)8月
代表者代表取締役 林 典子
事業内容ラーメン・うどん・そば・乾麺の製造、販売、オンラインショップの運営(自衛隊、旭川市・上川近郊の学校給食、病院等の団体給食、業務店など)

デザインコースを 振り返って

ここ数年はコロナ禍で、工場から一歩も出ないような日々でした。デザインコースでは、自分たちが思いつかないような、たくさんの気づきがありました。違う方の意見や考えのなかから、良いとおもったことを素直に取り入れることがスタートだと思います。(林さん)