経営にデザイン思考が浸透する、デザイナーとの良い関係性

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    株式会社 エンフード
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    3KG

企業

株式会社 エンフード

デザイナー

3KG

株式会社エンフードは、旭川でラーメン屋などの飲食店を営みながら、袋麺の開発・販売を手掛けています。「すがわら」と「旭川三平」は、旭川の老舗ラーメン店を事業承継。スープを自社開発。デザイナーと協同し個性的なキャラクターを持ったパッケージを製作するなど、発信力のある企業です。

ナショナルブランドかと思うデザイン力

初回の面談の前に、資料として「すがわら」や「旭川三平」のラーメンを見せていただきましたが、それぞれのブランドの個性を的確にキャラクターやデザインに落とし込んでいて、もはやアドバイスできることがあるのだろうかという完成度の高さ。「すがわら」はスタンダードな地元ラーメン屋の装い。一方「旭川三平」は辛いラーメンという個性をたぬきのキャラクターを用いて楽しく伝えていました。

アイデアと行動力が推進力

エンフードの強みは、担当の田中さんのアイデアと行動力。田中さんはもともと漫画や雑貨が好きで、商業施設にお勤めだった経験があることもあり、ブランドのストーリーづくりやパッケージ展開のアイデアが豊富です。通常苦労しそうなブランドの方向決めにまったく迷いが見られず、ナショナルブランドと比較してもまったく遜色のない仕上がりです。全てのデザインを任せているというデザイナーの阿戸さんとの信頼関係は見事で、それが商品力に現れていると思いました。

非常に幅広い業務をこなす田中さん。ひとつ進めるとひとつ滞ると言います。田中さんのパワーこそが強みであり、さらに広がっていったときには、田中さんは一人しかいないということがもしかすると壁になるのかもしれません。

企業としてのブランディングに改善の余地あり

一方で企業のとしてのイメージは掴みづらいのが気になりました。一見すると、製麺会社がラーメン店のライセンス商品をつくっているように勘違いしてしまいそうですが、実は、2件の異なる個性を持った旭川の老舗ラーメン屋の事業を承継し営業を続けています。さらに、それらのラーメンを自分たちで商品としてパッケージ化して物産展に出店したり、小売店に卸しています。決して効率の良いビジネスではないと思いますが、その実直さがエンフードの魅力ではないかと思います。そこが上手に、効果的に伝わると良いのではないかと感じました。