販路開拓とともに必要な、会社やブランドとして知ってもらうこと

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    北海道ダイニングキッチン
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    3KG

企業

北海道ダイニングキッチン

デザイナー

3KG

北海道ダイニングキッチン株式会社は、コーン、じゃがいも、たまねぎ、かぼちゃなど北海道産の新鮮な農産物を原料に、高品質な粉末ポタージュの開発・販売を行なっています。安心・安全と美味しさにこだわり、化学調味料・保存料は使用していません。

新型コロナウイルスの影響で売上不振

北海道ダイニングキッチンのポタージュは濃厚さが特徴。北海道のおみやげとして、空港などで着実に売上を伸ばしていました。しかし新型コロナウイルスの影響で観光客が激減。その影響で売上を落としてしまいました。同じ問題に直面した企業は全国各地たくさんあるではないでしょうか。

百貨店の北海道物産展に出店したり、関東圏の高品質スーパーを意識したパッケージを用意するなどして新たな販路開拓に努めてきた北海道ダイニングキッチン。容量やパッケージを工夫することで販路が拡大しました。しかし、個々の製品のデザインが整う一方で、次々と製品ができてくることで、企業としてのブランディングの弱さが目立ち始めています。

新規販路を開拓

おみやげとして販売されていた時には「北海道」の製品であることが伝われば良かったのですが、スーパーマーケットでリピート購入してもらうことを目指すと、社名やブランド名が記憶に残ることが重要になってきます。北海道ダイニングキッチンの製品は、社名である「北海道ダイニングキッチン」や、ブランド名である「Blessings of Hokkaido」の主張が控えめで、強く印象に残りません。また、社名やブランド名が長く、一度聞いて覚えるのが難しいのも気になるところです。

ブランド構築

代表をつとめる佐孝昌哉さんは、今回参加された企業の中で最も若く、開発から営業、販売まで幅広い業務を担当されています。きっとこれから伸びていく会社。迷いながら、手探りで様々な挑戦を繰り返してきた足跡がオンラインストアにみられます。主力商品であるポタージュの他に、鮭とばや昆布、メロンも掲載されていて、これが北海道ダイニングキッチンをわかりづらくしている印象を受けました。直販か? あるいは卸売りに集中するのか? 自社製品にこだわらず北海道の食品を幅広く販売するのか、あるいは自社のポタージュに集中するのか。ブランド力を高めるために新たなデザインをしていくのと平行して、事業内容の整理整頓することがブランドをわかりやすく伝えるカギになりそうです。

広い意味でのデザインを活用する

パッケージやチラシを美しく仕上げることがデザインだと考えられがちですが、企業全体、さらには経営にも応用が可能です。製品単位ではなく、会社全体を見渡して継続的にデザイナーと関わることで見えてくること、実現できることがあります。しかし、果たしてその漠然としたデザインにどれくらい投資してよいのか? デザイナーを信じて大丈夫か? ほんとうに投資に見合った効果は得られるのか? と経営者は迷うでしょう。それに対して、専門家としてのデザイナーが、企業の成長ステージに合わせながら支援できる体制が必要なのだと感じました。